矯正歯科
歯列矯正とは、出っ歯や受け口、叢生などの歯並びの問題を矯正装置で改善する歯科治療です。見た目を整えるだけではなく、噛んだり話したりといった口腔機能の向上も目的としています。歯並びが整うと、歯磨きの効率性が上がることでむし歯や歯周病の予防効果が高まります。
歯並びや噛み合わせが悪い場合、食事に時間がかかったり滑舌が悪くなったりして、日常生活に支障をきたす恐れがあります。また、歯と歯が重なり合ったところをうまく磨けないことでむし歯や歯周病のリスクも高まります。
このように、歯並びは見た目の問題だけではなくお口の健康にも深く関係しているため、早めに矯正治療を受けていただくことが大切です。
矯正装置について
ブラケットワイヤー矯正
ブラケット矯正は最も長い歴史を持つ矯正治療です。幅広い症例に対応できることがメリットですが、矯正装置の見た目が気になることで矯正中の精神面への負担が大きいというデメリットもあります。また、装着時の違和感、歯磨きのしにくさ、マウスピース矯正よりも痛みが起こりやすいといった点も、事前に把握しておくことが大切です。
部分矯正(前歯の矯正)
部分矯正は、1本~数本の歯を矯正することです。主に、出っ歯やすきっ歯、軽度の叢生などに適用します。比較的短期間で改善するうえに治療費も抑えられます。ただし、全体的に歯並びが大きく乱れている場合は適用できません。たとえ、部分矯正で一時的に改善したとしても、後戻りの力が強くて元に戻ってしまうためです。
口腔内スキャナーによるマウスピース矯正
当院では、歯型の採取に従来の印象材ではなく口腔内スキャナーのTriosを使用しております。従来の印象材を使用した型取りとは異なり、嘔吐反射や精度の問題を解消できます。また、取得した口腔内データをコンピューターシミュレーションすることで、治療経過や完了時の歯並びを事前に確認できます。また、CTやレントゲンを使用した場合は多少なり被ばくのリスクがありますが、口腔内スキャナーは放射線を使用しないので、被ばくの心配が一切ありません。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、透明で薄いマウスピースを装着し、歯に弱い力をかけて歯並びを整える矯正治療です。お口の中に入れても違和感が少ないうえに、歯磨きや食事の際は取り外すことができます。
当院では3D口腔内スキャナーであるiTero(アイテロ)5Dを導入しており、お口の中をスキャンするだけで歯型の採得から治療シミュレーションまで行う精密検査のうえマウスピース矯正(インビザライン)による矯正治療を行っています。
マウスピース矯正のメリット
透明なので目立ちにくい
透明で薄いマウスピースを使用するため、口を開けたときに矯正中であることを周囲の人に知られる心配がありません。
取り外しができる
食事の際は取り外せるので、食べかすが詰まる心配がありません。また、歯磨きの際にも取り外すことで磨き残しのリスクを軽減できます。
違和感が少ない
薄くて滑らかなマウスピースを使用するので、装着中の違和感が少なく、口腔内を傷つける心配もありません。
通院回数が少ない
ブラケット矯正は3~4週間に1回の通院が必要ですが、マウスピース矯正は4~6週間に1回と比較的少ない通院で受けていただけます。
痛みが少ない
歯にかかる力が比較的弱いうえに、一定の力がかかるようになっているので、矯正装置の中でも痛みが少ないことが特徴です。
精密な治療
3Dコンピューターシミュレーションによって、歯の動き方を緻密に計算したうえでマウスピースを作製するため、きれいな仕上がりになることが期待できます。
幅広い症例に対応
マウスピース矯正は他の矯正治療と比べて適用症例が少ないのは事実ですが、当院では非常に多くの患者さまがマウスピース矯正を選択されています。そのため、他院でマウスピース矯正を断られた方も、当院まで一度ご相談ください。
口腔内スキャナーiTero5D(アイテロ)
口腔内3Dスキャナー(アイテロ)は、歯型をスキャンするための専用機器です。この機器は、お口の中に小さなカメラを挿入するだけで歯型を取得することができます。これにより、従来の方法である歯に粘土のような材料を使って型取り手法を行うことと比較して、患者さんにとって型取りに違和感や負担がなく容易になります。また、スキャンデータのため、歪みや崩れがないため、正確な歯型を得ることができ、負担なく歯型を採得することが可能です。
当院では透明なマウスピース矯正であるインビザラインを作成する際に、口腔内3Dスキャナー(アイテロ)が使用されます。この装置を利用することで、矯正装置のための正確な歯型を取得し、患者さんの口腔状態に合わせてカスタマイズされた矯正装置を作成することができます。
口腔内スキャナーアイテロの特徴
正確な歯型の採得が可能
アイテロは高精度な3Dデータを取得することができるため、歯の形状やかみ合わせなどを正確に再現することができます。
そのため、より正確な歯型を採得して患者さんオリジナルのマウスピースを作成することができます。
歯並びのシミュレーションが可能
アイテロによるスキャンデータを基に3Dデータにてモニターを映し出し、治療前に治療後のイメージをシミュレーションすることができます。
矯正治療前にどんな歯並びで治療経過から治療後までの歯並びを把握することができるため、納得した上でマウスピース矯正を始めることができます。
安全で速い歯型の採得
アイテロのスキャンの光は放射線などがないため、身体にも安全で害がありません。
また、歯型をスキャンする時間も通常の粘土で取得するよりも早く、大体2~3分でスキャンすることができます。
むし歯の検知も可能
アイテロ5Dはスキャンするだけでむし歯の検知も可能です。
そのため、治療前のむし歯の発見ができるため、安全に治療を開始することができます。
マウスピース矯正とほかの矯正装置の違い
マウスピース矯正とリンガル矯正の違い
マウスピース矯正とリンガル矯正は、どちらも目立ちにくいことがメリットです。また、表側矯正と比べて適用できる症例が少ない点も共通しています。マウスピース矯正は取り外しが可能ですが、リンガル矯正は固定式のため取り外すことができません。そのため、取り外しできる矯正装置を希望される場合はマウスピース矯正がおすすめです。
マウスピース矯正とワイヤー矯正の違い
ワイヤー矯正は取り外しができませんが、マウスピース矯正は自由に取り外せます。また、マウスピースはプラスチック製で、ワイヤー矯正は金属製の矯正装置を使用します。そのため、金属アレルギーの方にはマウスピース矯正がおすすめです。ただし、適用症例はワイヤー矯正の方が多いので、場合によってはマウスピース矯正を選択できません。
エクストルージョン
エクストルージョンとは、歯茎の中にのめり込んだ歯を引っ張り出す治療法です。抜歯が必要な状態の歯には、歯肉が覆いかぶさっているケースがほとんどです。このまま被せものを作製しても、歯茎を挟み込んでしまい、適切な治療を行えません。エクストルージョンで歯を引っ張り出すことができれば、適切な補綴治療が可能になります。