2023.12.05
インプラント治療が良くないと言われる8つ理由と治療法
「インプラント治療は良くないと聞いたけど本当?」などの疑問を抱いていませんか。
お口の健康にかかわるため、治療法を慎重に選びたいと考えている方は多いでしょう。
結論から述べると、インプラント治療に「良くない」といえる欠点はありません。注意点を理解したうえで、自分に合っている治療法を見つけることが重要です。
ここでは、インプラント治療は良くないと言われる8つの理由と自分に合っている治療法の見つけ方を解説しています。歯の治療を検討している方は参考にしてください。
インプラント治療は良くないと言われる理由
インプラント治療は良くないと言われる理由として、下記の8つがあげられます。
1. 外科手術のリスクがある
インプラント治療は外科手術を伴います。具体的には、以下の流れで進められます。
【流れ】
歯茎を切開する
インプラント体(歯根部)を埋め込むため顎の骨に穴を作る
2の穴にインプラント体を埋め込む
以上の処置を行うため、さまざまなリスクを伴います。
例えば、神経や血管を損傷する、細菌に感染するなどが考えられるでしょう。一定のリスクがあるため、絶対だめといわれているのです。
ただし、歯科医師もこれらのリスクを認識しています。インプラント治療を成功させるため、ケアとメンテナンスと実施することが一般的です。
一定のリスクがあっても、心配しすぎる必要はないでしょう。
2. 治療を適用できない場合がある
インプラント治療を受けられないケースがある点も、良くないといわれる理由のひとつです。
例えば、高血圧で合併症のリスクがある、糖尿病で感染症のリスクが高いなどのケースが考えられます。
治療を受けられない理由は、失敗を含む想定外のトラブルに繋がる恐れがあるからです。
同様に、顎の骨が少ない場合も治療を受けられないことがあります。治療により、周囲の血管や神経を圧迫したり炎症を起こしたりすることがあるからです。
ただし、これらが絶対的な条件になるわけではありません。
例えば、持病をコントロールできていれば治療を受けられることもあります。まずは歯科医院で相談することが重要といえるでしょう。
3. 治療費用が高い
インプラント治療には、まとまった費用がかかります。
この点に注目して絶対だめといわれることもあります。治療費が高くなる主な理由として以下の点があげられます。
【治療費が高くなる理由】
自由診療に該当する
設備費・材料代が高い
人件費が高い
審美性の高いインプラント治療は、必要最低限の治療とは考えられないため基本的に保険を適用できません。
また、外科手術に対応した設備・材料・人材を用意しなければならないため、通常の歯科治療よりもコストがかかります。
以上の理由から、インプラント治療は高額になるケースが多いのです。ただし、機能的で見た目が美しいうえ寿命も長いため、コストパフォーマンスは高いと考えられています。
この点も踏まえて検討するべきといえるでしょう。
4. 治療に時間がかかる
ブリッジや入れ歯の治療期間は3カ月以内が目安です。
これに対してインプラント治療は、4~13カ月が目安になります。治療期間に幅がある理由は、口腔内の状況などにあわせて治療を行うからです。
例えば、顎の骨が少ない場合は、3~6カ月程度かけて骨を厚くしてからインプラント治療を行います。長期間の治療を必要とするケースが多いため、絶対だめといわれるのでしょう。
ただし、治療期間には、骨の造成を待つ期間やインプラント体と骨の結合を待つ期間などが含まれます。
通院回数はそれほど多くないため、負担は少ないと考えることもできます。
5. メンテナンスが必須である
インプラントの寿命は、10年以上、と考えられています。
寿命に大きな影響を与えるのがメンテナンスです。メンテナンスは通院で行うものと自宅で行うものにわかれます。
前者は3~6カ月に1回程度のペースで受けることが一般的です。
後者は、歯磨きなどのデンタルケアが該当します。
メンテナンスに一定の手間と費用がかかるため、インプラントは絶対だめといわれることがあるのです。
面倒と感じるかもしれませんが、インプラントの維持にメンテナンスは欠かせません。怠ると早期に脱落する恐れがあります。
この点は受け入れるしかないでしょう。
6. 再治療が困難である
他の治療と同じく、インプラント治療にも失敗のリスクがあります。
以上を踏まえたうえで、再治療が難しい点も良くないといわれる理由と考えられます。
失敗の主な原因として、口腔内環境の悪化があげられます。
例えば、骨の量が少なくなると、同じ治療を行うことは難しいでしょう。
ただし、全てのケースで再治療できないわけではありません。
例えば、人工歯が折れたケースは、新しいものに置き換えることで再治療できます。
骨の量が少なくなっているケースも、人工的に顎の骨を厚くする処置と併用することで再治療できることがあります。
難易度は高くなるものの、再治療ができないわけではありません。
7. 金属アレルギーのリスクがある
金属アレルギーのリスクを伴う点も絶対だめといわれる理由のひとつと考えられます。顎の骨に埋め込む歯根部には一般的にチタンが用いられます。
人工関節などにも用いられるほど安全性の高い素材ですが、それでも金属アレルギーのリスクが全くないわけではありません。
金属アレルギーが心配な場合は、慎重に選択するべきといえるでしょう。
リスクに備えたい方は、ジルコニアを用いたインプラント治療を検討するとよいかもしれません。ただし、骨に負担をかけやすいなどのデメリットもあります。
専門家に相談したうえで治療法を決定しましょう。
8. インプラント周囲炎の恐れがある
インプラントの周りで起きた炎症をインプラント周囲炎といいます。インプラント版の歯周病と考えればよいでしょう。
インプラント周囲炎は、インプラント脱落の原因になりえます。歯周病と同じく自覚症状が現れにくいため注意が必要です。治療後も、インプラント周囲炎によるトラブルのリスクがあるため良くないといわれることがあるのでしょう。
ただし、インプラント周囲炎のリスクは、メンテナンスなどでコントロールできます。適切な管理でトラブルを遠ざけることは可能です。
インプラント治療のメリット
インプラント治療を検討中の方は、良くないと言われる理由とともにメリットも押さえておきましょう。
これらを踏まえたうえで検討を進めると、自分に合っている治療法がわかります。
主なメリットとして以下の4つがあげられます。
1. 審美性が高い
インプラント治療は、ブリッジや入れ歯よりも審美性が高いと考えられています。
見た目が美しい理由は、天然歯とよく似た構造をしているからです。
具体的には、顎の骨に埋め込まれた歯根部と歯根部に取り付ける支台部、支台部に取り付ける人工歯で構成されます。
外から装置が見えないため、天然歯と見分けがつかないほど美しい仕上がりになるのです。
人工歯にさまざまな選択肢がある点も見逃せません。材質・色調・形状などを調整することで、周囲の歯と馴染んだ仕上がりになります。
見た目が気になる方にとって魅力的な選択肢といえるでしょう。
2. 耐久性が高い
インプラントの寿命は10~15年程度が目安と考えられています。
ケースによっては、40年以上、使えることもあります。定期的なメンテナンスを必要とするものの、長期間にわたり使える可能性がある点は大きな魅力です。
ちなみに、入れ歯の寿命は4~5年程度、ブリッジの寿命は7~8年程度が目安と考えられています。治療費は高額になりがちですが、他のメリットも加味するとコストパフォーマンスは高いと考えられます。
長く使い続けたい場合は、有力な選択肢になるでしょう。
3. 発音に影響が出にくい
天然歯とよく似た構造になるインプラントは、発音や滑舌に影響を与えにくいと考えられています。
これまで通りおしゃべりを楽しめる可能性がある点は、インプラント治療の魅力です。
一方で、ブリッジは歯の隙間などから空気が漏れるため、入れ歯は口腔内が狭くなるため発音しにくくなったり滑舌が悪くなったりする恐れがあります。
話しやすさにこだわりたい場合は、インプラント治療が有力な選択肢になりえます。
4. 周囲の歯に対する負担が軽い
両隣の歯に影響を与えにくい点もインプラント治療の魅力です。
ブリッジはクラウンを被せるため両隣の歯を大きく削らなければなりません。
入れ歯も義歯を固定するクリプスをかけるため両隣の歯を削る必要があります。また、着脱を繰り返すうちに歯が削れてしまうことも考えられます。
インプラントは、顎の骨に埋めた歯根部で人工歯を支える構造です。したがって、周囲の歯を犠牲にすることはありません。
歯の健康を維持したい場合は、魅力的な選択肢になるでしょう。
インプラント治療を受けるかどうか判断する方法
インプラント治療に魅力を感じる方は、以下の点を踏まえたうえで検討を進めるとよいでしょう。
他の治療法と比較する
入れ歯・ブリッジと比較すると、自分に合っている治療法を選びやすくなります。
1. 入れ歯
入れ歯の魅力は、外科手術を必要としないことと何本でも治療できることです。
一方で、装着に違和感を伴うことが少なくありません。また、審美性も低くなります。
インプラントのように天然歯と変わらない噛み心地を実現することもできないでしょう。コスト面を含めて手軽な治療法ですが、実用性はインプラント治療に劣ります。
2. ブリッジ
ブリッジの魅力は、過度な力はかけられないものの天然歯に近い噛み心地を実現できることと外科手術を必要としないことです。
まずまずの審美性を実現できる点、寿命がそれなりに長い点も魅力といえるでしょう。一方で、欠損歯が多いと適用できません。
また、治療にあたり両隣の健康な歯を大きく削る必要があります。実用性は高いですが、インプラントほどではありません。健康な歯を削る点にも注意が必要です。
治療目的に優先順位を付ける
インプラント、入れ歯、ブリッジの長所・短所は異なります。
万人にとって最も優れている治療法があるわけではありません。重視したいポイントを明らかにして、治療法を選択するべきと考えられるでしょう。
例えば、身体にかかる負担をできるだけ少なくしたい方は入れ歯、日々のメンテナンスに時間をかけたくない方はブリッジ、見た目の美しさや噛み心地を重視したい方はインプラントが向いていると考えられます。
それぞれの特徴を整理してから検討を進めるとよいでしょう。
インプラント治療は魅力的な治療法のひとつ
この記事では、インプラント治療が良くないといわれる理由などを解説しました。主な理由として、外科手術のリスクや再治療の難しさなどがあげられます。ただし、これらの多くはコントロールできます。
注意は必要ですが、良くないといえるほどのものではありません。入れ歯、ブリッジを含め、メリット・デメリットを理解したうえで自分に合っている治療法を選ぶことが大切です。
与野駅前あいびー歯科クリニックでは、患者様のご要望をお伺いしたうえでお口の状態に合わせた治療法をご提案しています。何かしらの悩みを抱えている方は、お気軽にご相談ください。